| フィールドワークとしての中国不動産市場 |
水
04
4月
2012
2012年2月22日夕方、私の携帯電話がメールを受信しました。
「<HSBCプレミア> 重要なお知らせ」と題されたメールには、半ば予期していた内容が書かれていました。
「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、全世界におけるHSBCグループならびに香港上海銀行の事業再編の一環として、たいへん残念ではございますが、私どもは、日本におけるHSBCプレミアサービスのご提供を中止することを決定しましたことをお知らせいたします。(後略)」
なぜ予期していたかというと、以前に、HSBCが採算のとれない国や地域での業務を縮小していくというニュースを見たことがあるからです。
このメールが届いたあと、どのように報道されるか見ていたのですが、ほとんど報道されなかったようです。
今後、名古屋出張所が4月27日まで、広尾支店・横浜支店・赤坂支店・丸の内支店・大阪新出張所が7月31日まで営業します。
8月1日以降は、日本橋HSBCビル(香港上海銀行東京支店)にて限定的なサービスを継続する予定となっています。
インターネットによる投資信託の購入およびデュアルカレンシーデポジットの申し込みは3月7日で終了、その他のインターネットバンキングサービスは、12月28日まで継続する予定です。提携ATM(ゆうちょ銀行ATM・セブン銀行ATM)、海外ATMについても12月28日まで利用可能とのことです。
おそらく、海外投資を実践されている投資家にとって、HSBCプレミアのサービスのひとつ、「海外の自分名義のHSBCプレミア口座への送金無料」が使えなくなることが残念なのではないでしょうか。
2012年7月末までは、プレミアサービスとしてのステータスは維持されます。
すなわち、7月末まではインターネットバンキングを利用した海外送金(自分名義の海外HSBCプレミア口座宛)は無料でおこなえます。
8月以降は、インターネットバンキングであっても、4,000円/回の手数料がとられます。
どういう経緯でHSBC日本がプレミアサービスを中止するか、いろいろと憶測が出ています。
富裕層が外国銀行のサービスになじまなかった、敷居が高すぎた、思うようにマーケティングが出来なかった、など、いろいろと想像できます。
ただ、私には、「日本ではHSBCは呼吸できなかった」ように思えます。
HSBC香港の口座開設がブームとなっていますが(これには波があるようで、またブームがやってきています)、一方で、足元のHSBC日本はあえなく撤退。
海外投資や資産フライトといわれてけっこうな時間が経ちましたが、「日本はやばい」という言説に対して、HSBC自身が態度として示してくれたのではないでしょうか。
窒息する前に出なければいけない、と。
銀行として、国際的なスタンダードを提供するHSBCが生きていけないということは、日本は国際的なスタンダードにそぐわないということでもあります。
亜種化(あるいはガラパゴス化)した日本が、強靭な力をもって独自路線をもって「HSBCが呼吸できない環境」を世界に推し進めることができればよいのですが、もちろんそんなことはできそうにありません。
世界で通用するサービスを取り入れることができなかった日本に魅力をなくす投資家が増えるのです。
日本人にとって身近でなかった外資銀行のひとつ撤退しただけにすぎない、と考えてよいのかどうか。
事実上の撤退の背景は何であれ、世界指折りの銀行に見放された情況は、憂慮されるべきなのではないかと思います。