02

4月

2010

【弊社記事】チャイナマネーに続け! 狙いはマレーシア不動産!(第3回 駐在員のための海外不動産投資講座)

 

【本記事は、『Bros Business』2010年3月号に掲載されました】

 

 

先日、韓国の投資家と話す機会がありました。

彼は、「我々韓国人も中国マネーを追いかけている。子女の教育目的で海外に移住する動きが広がっている」といいます。

韓国マネーも海外不動産(カナダやシンガポール、中国など)に影響を与えはじめています。

われわれ日本人も、中国や韓国マネーを追いかける投資戦略を練る時代に突入したと個人的には考えています。

今回は、次に狙うべき海外不動産の照準を考えてみたいと思います。

 

 

ずばり狙いはマレーシア不動産!

 

中国マネーはこれからどこに向かうのか、これからの狙いはどこにあるのでしょうか?

春節(旧正月)中の10年2月16日に放送された『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)で、「驚異のチャイナマネー~世界を席巻する紅い資本家たち~」という特集がありました。

この中で、中国の温州人投資家が09年末のドバイショック以降、ドバイの不動産を買いに行く様子が取り上げられていました。

番組の中で、温州人たちは、「次はマレーシア不動産だ」と断言していたのが印象的でした。
最近、私自身、日本の投資家に対してマレーシア不動産をお勧めしています。以下にその理由を述べたいと思います。

 

1.安定成長する経済
中国・インド・ベトナムに次ぐ経済の成長性(過去10年GDP成長率5~6%で推移)

 

2.政治の安定性
2020年に先進国入りするというスローガン(ビジョン2020)のもと、元首相であるマハティール氏の長期政権を後任首相のナジブ氏が継承。建国後50年間政権を現与党が独占しており、比較的安定した政治体制が継続している

 

3.安定した人口増(年率2~2.4%)
マレーシアでは、MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホームプログラム)による積極的な移民の受け入れを促進しており、近年、リタイア族を中心に長期滞在者が急増している。

MM2Hを利用すると、一定の基準を満たす外国人に対して「数次入国社交訪問パスを発給し、10年間にわたり自由にマレーシアに出入国できる。

04年にはじまったこの制度を利用している日本人も多く、退職後、マレーシアの不動産を購入して長期で滞在する動きが広がっている

 

4.強い通貨
05年7月21日、リンギ(マレーシア通貨)は、米ドルペッグから管理フロート制に移行。

その後は、人民元相場に非常に高い相関性をもっている(人民元にペッグしているといっても過言ではない)。

今後もこの傾向が継続するかどうかは、同国の経済状況にもよるが、輸出を経済の牽引力となっているマレーシアにとって、為替のベンチマークは競争国でもある人民元を意識する動きになることは必至。

ここ1年、1米ドル=6.83 人民元レベルで据え置かれているが、本年は輸出の回復が見込まれ、人民元の再度の切り上げが予想されている。

リンギも同様に切り上がれば、リンギへの投資は人民元投資と同効果を実現できる可能性は高い

 

(グラフ1)リンギの対人民元、対シンガポールドル相場の動向

(Stasia Capital調査部作成)

 

5.比較的安い不動産

アジアの主要国のプライム住宅価格の表を参照されたい。

マレーシアの首都、クアラルンプール(以降KLと表記)の価格は、香港の約10分の1程度、上海の3分の1程度、近隣諸国では、一人あたりGDPがはるかに低いベトナムのホーチミンの2分の1程度である。

今後、アジア諸国の中でも上昇余地が大きく、シンガポール、インドネシア、香港、中東の投資家が注目している。

KL中心部に立地する高級住宅でも坪単価で100万日本円前後であり、レンタルイールドも5~8%と高め、日本人の投資家にとって、最初の海外投資には手ごろな金額で投資が可能

 

(表)アジアの主要都市におけるプライム住宅価格(09年第3四半期)

都市 価格
中国 北京 4,832.3米ドル/平米
上海 5,738.3米ドル/平米
広州 3,382.9米ドル/平米
香港 21,842.8米ドル/平米
シンガポール 16,805.0米ドル/平米
マレーシア クアラルンプール 2,109.0米ドル/平米
タイ バンコク 3,318.4米ドル/平米
フィリピン マニラ 2,382.3米ドル/平米
インドネシア ジャカルタ 1,770.0米ドル/平米
ベトナム ホーチミン 4,368.6米ドル/平米

(CB Richard ElilsのデータよりStasia Capital調査部作成)

 

6.外国人でもローンが可能
物件価格の75~85%のローンを引くことが可能。

金利は現状3.23%前後で、歴史的にも低金利を享受できる

 

7.リーマンショックからの回復基調
09年第二四半期に入り底を確認、市場では回復の兆しが広がっており、今後、価格は経済の回復とともに堅調に推移するものと見込まれる

 

(グラフ2)マレーシアにおける住宅価格の動向(指数)

(Stasia Capital調査部作成)

 

8.キャピタルゲイン課税、保有税負担が小さい
10年1月1日より保有年数にかかわらず、一律5%となっており、他の諸外国とも比べ低率である(07年までキャピタルゲインに対する課税は5年以内で30%、07年から09年まではキャピタルゲイン課税は免除)。

また、保有時のコストも低く、日本の固定資産税に相当する税金は、物件価格の0.2%程度であり、日本の投資用マンションにかかる固定資産税に比べてはるかに負担が小さい

 

9.透明性が高いリーガルシステムが整備
マレーシアは、旧英国領であることから、契約法は英国法が採用されている。不動産取引においては英文契約が標準とされており、透明性が高く取引の安全性が確保されている

 

10.MM2Hを活用した自己使用も可能
一定の条件(定期預金を一定期間保持するなど)を満たすことにより、10年間自由に居住できるので、自ら購入した物件に居住することも可能

 

以上、マレーシア不動産のメリットを整理しましたが、ご興味をお持ちいただけたでしょうか?

次に、マレーシアで投資物件を選定するうえでの留意事項を以下に整理します。

 

 

物件選定留意ポイント

 

1.利回り保証プログラムは要注意

最近、マレーシアでは、海外投資家が増えてきており、現地にも外国人(とくに日本人投資家)をターゲットにして、賃料保証プログラム(たとえば、物件価格の6~7%の利回りを完成後数年間保証するものなど)を謳って、非常に有利な購入条件を提示している投資物件が見受けられます。

海外投資家にとって、引き渡し後の物件の賃貸管理は非常に煩わしく、このような特典つきの案件は、投資家にとって安心感があり、販売戦略上は優位に働きます。

ただし、注意が必要なのは、賃料保証分のリスク負担分だけ、そもそも市場価格より販売価格が高く設定されている場合があります。

すべての賃料保証プログラムつきの物件がそうであるとは断言できませんが、デベロッパーがそこまで保証する意味や保証能力があるのかどうかは十分に検討に値するでしょう。

本当によい物件は、賃貸保証はなくとも、賃貸づけが可能です。

 

2.立地
不動産は立地が非常に重要です。

基本はKL中心部のプライム立地が無難です。

 

3.物件購入者のプロフィールに注目
購入者が外国人ばかりの物件には注意が必要です。

一定割合でローカル実需層やシンガポール人が購入しているかがポイントです。

出口戦略は、ローカル富裕層の実需者を中心に考えます。

購入者に日本人が多い物件は避け、利回りより将来の流動性を重視すべき。

 

4.プレセール物件が中心となるため、デベロッパーの実績、信用度が重要。
海外では、プレセール(未完成物件の事前販売)物件への投資が中心となります。

日本でも建築中に販売する『青田売り』がありますが、手付や内入れ金は保全(保証機関にて)され、ローンも物件引き渡し時に実行される仕組みであり、所有権もあくまで完成引き渡し時に移転されます。

マレーシアのプレセール物件は、工事の進捗状況に合わせて代金を支払う仕組みになっています(ローンも進捗状況に合わせて実行されます)。

したがって、購入物件の完成リスクを購入者と銀行が引き受けることになり、デベロッパーも資金繰りが楽になる分のプレミアムとして、対象物件の完成時の相場から2~3割程度ディスカウントされた価格に設定されるのが普通です。

購入者は、購入物件が契約の期限通りに、完成されるデベロッパーか?

仮に万が一工事が中断することがあっても、すぐに新たなスポンサーが現れる優良な立地かどうかを判断し、リスクプレミアムに見合うかどうか判断が必要です。

 

次回は、いよいよ具体的なお薦め物件を紹介する予定です。

 

 

※本稿は、出版前に執筆されたものであり、実際に掲載された内容と一部異なる箇所があります。  

 

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