月
14
2月
2011
中国は、春節(旧正月)の雰囲気が広がっています。
地下鉄やバスに乗ると、大きな荷物を抱えて駅や空港に向かう人びとが目立ちます。
日本では「民族大移動」と表現するメディアもあります。
どうも、こちらで暮らしていると、「正月」という感覚がわからなくなってきます。
新暦の正月(日本の正月)は、こちらでは、あまりハデなことはやりません。
日本人ならば、なんか拍子抜けするような感じになります。
今は、春節直前ですので、正月の雰囲気は出てきましたが、日本人にとって、「正月」はすでに過ぎたものです。
今さら何をやるんだろう、という気がしてしまいます。
春節前といえば、一般労働者にとって、うれしい「ボーナス(紅包)」がもらえる時期でもあります。
そして、銀行を中心に、市中に出回るボーナスを狙う短期投資商品が売り出されます。
気になったので、私もひとつ購入してみることにしました。
私が購入した商品は、インターバンクレートから一定の割合を引いた利回りがつくものでした。
利回りは5%(年率)、満期は2011年2月14日。
元本は保証されるとのことです。
ちなみに、預け入れるのは2、3週間なので、大した儲けは出ません。
別に大きく儲けようと思って購入したわけではなく、こういった商品が出てくるのかを考える一端にできればと思ったので購入したのです。(考える機会が与えられて、かつ私の車のガソリン代が出る!)
まず、春節の休み中、株式市場は動きません。
この間、資金を眠らせるのがもったいないと考える投資家が一時的にお金を入れておくという意味があると思います。
普通預金に入れると利子などほとんどないようなものですし、定期預金だと最低3ヶ月は資金が眠ります。
元本が保証されているならば、入れて損失を被ることはない、ということです。
次に、一気にボーナスをもらった人向けに、身近な活用法としての意味があると思います。
とりあえず、がばっともらったけど、どうしたらいいんだろう、という人向けに、元本を保証する形で投資してみませんかと誘ってみる。
第三に、インフレ傾向が続いていることから、貯金に回すより投資に回したほうがよい、というアナウンス効果。
利回りがインフレ率を下回る逆ざやになってしまうよりましでしょう、という意味です。
最後に、銀行にとって、インターバンク市場から調達するより低いレートで資金を調達できるという利点があると思います。
市中はボーナスでお金が余っているから、それを吸収してしまえ、ということです。
私が購入した商品は、どちらかというと「庶民」向けのものです。
日本のチャイナウォッチャーは、マクロな動向を追うのは得意ですが、こういったミクロな投資動向を追いかけるのは不得意です。
といいますか、現場を見ていないのでわかるはずがありません。
私は、自分の足で銀行に行き、並んで、自分で手続をしてきました。
こういった、虫の目レベルでの投資動向を見ると(人類学では「参与観察」といいますが)、また違った形で庶民の投資熱というものを感じることができるのです。
「中国では、投資は『株』か『不動産』という非常に狭い世界で資金が動いています。少しずつ投資対象が増えていっている感がありますが、まだまだ投資先は限られています。だからこそ、富裕層はありあまった資金を海外に移して運用することを考えます。中国の不動産価格が上がりすぎた今、この動きは今年も続くでしょう。」
当たり障りのない上記のようなアナリスト的コメントもいいですが、庶民の動きを追う、もうひとつの中国における主役を参与観察することが私の性にあっています。
誰かのための調査研究は、等身大の自分から離れ、現実味がなくなっていくのです。