火
22
3月
2011
中国では、大型連休の前に、影響力の大きい政策が発表されることがあります。
今回の旧正月(春節)の休み前にもマクロ政策が発表されました。
内容を確認しましょう。
まず、11年1月26日付けで、2件目の住宅購入にかかるローンの頭金比率がこれまでの50%から60%に引き上げられました。
同時に、すべての住宅において、売却する際に売却額の5%の営業税が課せられます。
翌1月27日には、上海市と重慶市で固定資産税の試験的導入が承認されました。
さらに、2月1日には、上海において、購入できる戸数についてさらなる厳格化が発表された。
これまでは、上海戸籍を保有する世帯で2件以上の住宅を所有している場合、1件も購入できなくなりました。
注意すべき点は、今回発表された一連の政策は、これから住宅をはじめて購入する実需層向けの政策ではないということです。
市場抑制策が発表されたからといって、実需向けの住宅市場が調整に入るということではありません。中低価格の住宅は、引き続き堅調な動きを示すでしょう。
大きな影響を受けるのは、中級以上の投資目的での不動産購入者です。
購入戸数に制限がかかり、売却するにも高い税金を支払う必要があります。
端的にいうと、上海市政府は「不動産に投資するのは禁止」といっているのです。
問題は、影響力の政策が出たとしても、不動産価格を押し上げる最大要因となっている「カネ余り」は何も解決されないことです。
過去数年間、中国人にとって投資の対象となるのは「株」と「不動産」でした。
投資対象が少ない中国では、一辺倒な投資環境となっています。
マクロ政策により、不動産に投資できなくなった資金は、今後、株式市場に向かうのは間違いないでしょう。
もっとも、最近、「株」と「不動産」という二大市場にもうひとつ、大きな市場が中国人に開かれつつあることは見逃してはならない事がらでしょう。
11年1月、浙江省温州で個人の海外投資が解禁になるという報道がなされました。
これに続き、2月には上海でも実施される公算があると発表され、中国人投資家が海外に向かう準備が進みつつあります。
しばらくは、中国人の「株」と「海外」への投資に要注目です。
(本稿は、2011年2月28日付『全国賃貸住宅新聞』に掲載されました)