月
25
4月
2011
私のように、中国在住で中国不動産を専門に調査をおこなうことができる日本人というのは、幸か不幸か、ほとんどといっていいほどません。
私の動向が、日系デベロッパーや機関投資家の最前線であるといっても過言ではありません。
先日、私の顧客に請われて久しぶりに中国で調査をおこなってきました。
はじめて行く土地、かつ調査期間は1日半。
この中で、それなりに結果を持ち帰る(あるいは上海に戻ったあとでも調査を継続できるような体制をつくっておく)ことを求められますので、それなりに緊張しますし、気持ちも落ち着きません。
(案の定、出張から戻ると、家族からもスタッフからも顔色が悪いといわれました)
右も左もわからないところで、いかにして調査を進めるか。
短期間で、顧客の求めるデータをどのように収集するか。
しかも、言葉が通じない(私は何とか聞きたいことが質問できるレベル)
環境で、いかにして必要となるデータを収集するか。
結果を出すためのノウハウはあります。
しかし、これは、誰かから教えてもらってわかるというような範疇のものではなく、体験的、経験的、実践的に獲得されるものです。
私なりのノウハウがあって、これは他人と共有できる部分は少しはありますが、ほとんどはパーソナルなものだと思っています。
この共有できる一部に、「調査結果はその日のうちにまとめておく」というものがあります。
その日の調査が終わり、ホテルに戻ると、たいていはカンヅメになって、まずは、その日書き留めたメモをMacでテキスト化します。
(最近はEvernoteを使う機会が増えています)
人の記憶というのは、けっこう適当なものだと思っていて、「まあ、出張から戻ってからまとめればよいだろう」と現場で思って、実際に戻ってメモを見てみると、多くの場合、何を書いているのかわからないのです。
どれだけ系統だってメモをとったとしても、現場感覚というものはけっこう削ぎ落とされてしまうものです。
その日のうちに、猛烈な勢いでテキスト化することで、忘却を防ぐのです。
次に、その日に撮影した画像や動画を、必ずMacにコピーします。
翌日以降、何かしらの勢いでデータを消してしまったり、カメラやビデオを紛失してしまったりすると、その日の努力は報われません。
必ずフォルダで分類し、あとでどれがどれなのかわかるようにしておきます。
1日の調査で、物件を5つ見たとすると、その日の調査をまとめるには2時間ぐらいでできます。
18時ぐらいに調査を終え、そのあと食事に行って、ホテルに戻るのは20時から21時。
そこからひたすらまとめにかかります。
2時間ぐらいでまとめて、まとめたあとは、何が聞けなかったのか、何をさらに調べる必要があるのか、その日の反省と翌日の調査について計画を立てます(だいたい30分ぐらいでできます)。
時間的に余裕があるときは、ここから調査報告書を執筆することもあります。
出張というと、夜は美味しい食事をとって、酒を飲んで、という行動を起こしがちですが、私は、調査に出かけると、ほとんど酒を飲みません。
(お付き合い程度で飲むことはあります)
また、夜、どこかに遊びにいくということもありません。
(お誘いいただくこともしばしばありますが、すべて断っています)
どうしても、上記の作業をやらなければならないのです。
やらないと、次の日には見事に忘れているのです。
プロフェッショナルな意識で調査をする、ということもあるのですが、どちらかというと、「忘れるのを防ぐ」という消極的な意味で、ホテルの部屋で孤独にその日の調査をまとめていくのです。
言葉が違う中国では、あとで聞くに聞けなくなることもしばしばです。
「忘れるのを防ぐ」作業をできる人こそ、調査者に向いていると思います。