水
25
5月
2011
2011年3月、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)にて第12次5カ年計画が採択されました。
この中で、「保障性住宅」の拡充が盛り込まれており、国家をあげて中低価格/賃料の住宅の開発が本格的に進むものと見られます。
私が暮らす上海においても、「経済適用房」の開発が本格的に進んでいます。
経済適用房とは、政府主導で開発され、供給される中低価格の住宅のことを指します。
筆者が暮らすエリアでも開発が進んでおり、その規模と開発スピードの速さを感じることができます。
2009年末に、上海の徐匯区と閔行区にて試験的に経済適用房の購入申請手続きと供給がはじまり、現在、この動きは多くの区に広がっています。
上海では、今回採択された5カ年計画の期間に、約40万戸の経済適用房が供給されるとのことです。
経済適用房は、誰もが購入できるわけではありません。
誰もが購入できる「商品房」(市場に流通する不動産)とは区別され、一定の条件を満たさなければ購入の申請手続きをすることができません。
条件は、
・ 申請する世帯成員が上海戸籍を7年以上保有し、申請管轄区に5年以上居住していること
・ 一人あたりの居住面積が15平米以下であること
・ 一人あたりの年間可処分所得が2.76万元以下、一人あたり財産が7万元以下
・ 経済適用房の申請前の5年間、住宅取引をおこなっていないこと(世帯内の住宅贈与はのぞく)(以上の4つの条件をすべて満たす必要あり)
・ 満30歳以上の申請者は単独で申請が可能
・ 単身あるいは世帯成員2名の場合は1LDK、世帯成員3名あるいは居住面積が規定以下の世帯成員2名の場合は2LDK、世帯成員4名以上の場合は3LDKの住宅を申請できる
となっています。
一人あたりの年間可処分所得が2.76万元以下という条件ですので、上海で暮らす中国人の給与相場を実感値として考えると、大卒の初任給以下の水準といえます。
政府には、安価な住宅の供給を増やすことで、住宅価格の高騰に対する不満を取りのぞく目的があります。
人びとの生活の根幹に関わる政府による一大プロジェクトは、これから本格化していきます。
(本稿は2011年4月25日付『全国賃貸住宅新聞』に掲載されました)