月
27
6月
2011
上海の大型書店では、国内書籍に限らず、多くの海外書籍が翻訳されて売られている。
小説をはじめ、ビジネス本、エッセイ、ハウツー、教育、絵本などジャンルはさまざまだ。
しかも、国内書籍に負けず劣らずの人気があり、かなり多くの海外書籍がベストセラーとなっている。
私は昔から書店に立ち寄り、話題の新作本をチェックしたり、好きなジャンルの本を立ち読みしたりするのが好きだ。
上海に来てからもそれは変わっておらず、大型書店の入り口に、ずらりと並べられたベストセラーの動向チェックは、今も欠かせない。
そんな私が最近感じているのは、日本の小説の翻訳本が、以前にもまして増えてきていることだ。
徐家匯にある大型書店「大衆書局」には、日本の小説コーナーが設けられ、人気のある作品が山積みに置かれている。
特に、最近若い世代の中国人から絶大な人気を博しているのが、東野圭吾だ。
同氏の作品は、人の心を鮮明に描写した執筆力の高さに定評があり、日本で人気となった作品の多くが中国語に翻訳されている。
中国で2008年に出版された「白夜行」は、ネット上で書籍を中心に販売する「当当網」で、2010年のミステリー部門で、売り上げランキング5位にランクインされたほどだ。
こうした日本の小説が売れている背景には、中国人の価値観の多様化にも関係していると思われる。
経済発展に伴い、社会が複雑化していく中、複雑な人間関係や駆引きなどの描写が多い日本の小説に、共感を持てる中国人が増加しているのだ。
当当網に書き込まれた日本の小説に関するレビューを見てみると、中国人は本来ハッピーエンドを好むが、最近は東野圭吾の作品のような、「結末があやふや」なものにも魅かれる中国人が増加しているという。
また、以前日本の小説は、「まわりくどい表現が多い」といった意見も多かったが、最近ではそういう「表現の細かい」ところに魅かれる中国人も増加しているとの書き込みもみられた。
★寄稿者紹介
西本圭(にしもと・けい)
Stasia Capital Holding Limited/調査部・アシスタントマネージャー