水
07
9月
2011
前回は、中国人すら投資できなくなった中国不動産について述べました。
現在、市中にあまる資金が、株式市場と海外に向かうタイミングを狙っているところといえるでしょう。
中国不動産大手ポータルサイトの捜房(Soufun)が実施した最新のアンケート結果を見てみましょう(2011年3月10日付「捜房綱」の記事。アンケート回答者は中国で不動産を購入したことがあり、資金に余裕がある中国人)。
インフレと不動産購入制限政策の影響から、今後、資金をどの市場に向けるかという質問に対して、中国「国外」の不動産市場という回答が41.3%、中国株式市場が16.7%、不動産購入制限政策が出ていない中国国内小都市が14.7%ありました。
中国国内の不動産投資が事実上不可能になったことが大きな要因ですが、人民元の切り上げにより、海外不動産に割安感が出てきたことや、2011年に入り、温州や上海などで海外投資解禁の話題が出ていることなども、中国国外の不動産に目を向ける要因といえるでしょう。
海外不動産を選ぶ主な要因としては、56.7%の中国人が投資と回答しました。
続いて子女の教育が18.3%、生活需要と国・地域の環境を選んだ中国人は、それぞれ10.0%でした。
実需としての需要も見られますが、半数以上の中国人が投資目的であることがわかります。
どの国・地域に投資するかという質問については、50.0%が米国、カナダが11.4%、オーストラリア、シンガポールがそれぞれ8.6%でした。
なお、日本は5.7%で、チャイナマネーが狙う海外不動産としては、まだ高い地位を獲得しているわけではありません。
これまで、中国における投資対象といえば、「中国株」か「中国不動産」でした。
国内で投資資金が回り続けていました。このアンケート結果からわかるように、今後は中国における二大投資市場に、「海外」が加わることになるでしょう。
これまで見られなかった投資市場における構造転換といっても過言ではありません。
執筆時点では、上海株式市場に大きな変化は起きていませんが、短期的には、株式市場に資金が戻ってくると見ています。
これと並行する形で、海外市場を狙う動きも足元で広がってくるでしょう。
どうやら、2011年は、中国大陸で暮らす中国人の海外不動産投資元年になるような気配です。
チャイナマネーが世界を目指して飛び出す機運が高まってきています。
日本不動産は、上のアンケート結果で注目を集める国・地域に比べて後塵を拝しています。中国人投資家が日本不動産に投資しやすくなる環境が生まれれば、注目度は上昇するでしょう。
(本稿は、2011年3月28日付『全国賃貸住宅新聞』に掲載されました)