火
18
10月
2011
明日(2011年10月18日)、上海に戻ります。
1ヶ月ほど日本にいました。
日本では、非常に忙しくすごしました。
私が日本にいるのがバレると、猛烈な勢いでアポが入ります。
今度からは誰にも告げずに黙って日本に行こうと思っているのは内緒です。
さて、本日(2011年10月17日)、中国の住宅市場にまた引き締めが実施されたようです。
どうやら、1件目の住宅ローンの利率について、貸出基準金利の1.05倍から1.10倍に設定されるとのことです。
北京の『新京報』、上海の『新聞晨報』、広州の『広州日報』など、各市のメジャー大衆紙が伝えています。
これをどのように理解することができるでしょうか。
これまでの流れを見ると、「複数件」保有する人びとについては、厳しい政策が発表されていて、これから初めて住宅を購入する人びとについては、できる限り以前の条件をそのまま利用できるようになっていました。
政府は、「中国にはまだ満ち足りた条件で暮らせない人びとがたくさんいるので、この人びとに対して優先的に住宅を供給する」というサインを出し続けています。
中低価格住宅、立ち退き用住宅の斡旋も進んできたほか、「複数件」保有する人びとの条件を厳格化して価格上昇を抑制し、実需層からの不満を和らげようとしています。
現実、どのような情況になっているかというと、購入制限により、取引量は減り、ようやく価格も下落傾向が見えはじめたところです。
3件目の購入を政策的に不可能にしたことは、買いたくても買えない情況を生み、取引を実需層に限定させる動きとなります。
ようやく、デベロッパーが限界を感じはじめ、価格の値下げに出てきたというところです。
購入制限政策は相当市場にインパクトのある政策であったことは間違いないです。
現在、購入している人びとのほとんどが実需層であることを考えると、今回のローン利率引き上げは、上記の政府の意図に反するように思われます。
とはいえ、すでに、2011年初頭から、1件目の優遇金利の適用がなくなってきています。
1件目についても「恩恵を引き続き受けることができるはずの実需層」についても、少しずつ引き締められています。
あまり触りたくはないところですが、1件目についても、さらに引き締めを行わないと価格上昇抑制に効果がないという判断があったものと見られます。
価格を下げなければ、必要な人に必要な住宅を供給できない、そのための施策である、ということかと思います。
すなわち、「今は住宅を購入するのは我慢しなさい。もう少ししたら政府が価格を抑えるのに成功しますから、そのときに買ってください」というサインが出たということです。
今後の取引量は前年比ベースで下落するでしょう。
もうひとつは、インフレが落ち着く可能性が高くなったと政府が判断した可能性があるということです。
インフレが落ち着くと、金利を下げてくる可能性があり、ここのタイミングで住宅市場に資金が流入しすぎないようにしようとしているのではないか、ということです。
先に手を打つことで、金利の下落が引き締め政策の緩和ではないことをアピールする狙いがあります。
金利が下がったとしても、今回のローン利率引き上げ分が残っていれば、実質的には今現在の貸出基準金利と同じぐらいの水準になります。
市場の転換期には、さまざまなことが起こります。
最近、広東省佛山市で、購入制限に関する緩和策が発表され、即日で取り下げられたという出来事がありました。
今は、「上に政策あれば下に対策あり」的なことをやるタイミングではないということだと思うのですが、市場には、緩和策への期待と緩和策への警戒感が入り交じっている情況がよくわかる事象となりました。
住宅価格の下落が顕著に出るまでは、引き締め策は続くでしょう。
いつごろ調整が終わるのか、という見方がでてくるのは、まだまだ先の話となりそうです。