07

2月

2012

【コラム】第31回 マレーシア政府の営業力・積極性(4)

自分が暮らす国に未来を託せない人びとが、海外に向かうのは当然のことです。

思い切って移民してしまおう、そんな考えすら思い浮かびます。

 

移民には、「プッシュ要因」と「プル要因」があるといわれています。

典型的な例としては、自分が暮らす場所が貧しく、余剰人口を食いつなぐことができなことが「プッシュ要因」となり、経済的に発展している場所、人を必要としている素地がある場所が「プル要因」となるケースです。

たとえば、東南アジアに華人が多く暮らしている背景には、(現在の)中国の広東省、福建省などの余剰人口が東南アジアの植民地政策下で労働力として必要とされる経済的背景がありました。

インドネシアでは、アラブ人の子孫が暮らしていますが、オランダ統治時代、ハドラマウト(現イエメンの一地方)の余剰人口が植民者が、原住民(プリブミ)の統制にあたり、中間者となることができることから重宝されました。

日本では、疲弊した農村で食えなくなった人口が旧満州国やブラジルに夢を託して渡っていった歴史があります。

 

いつの時代にも移民は存在し、人の移動は世界中で常に起こっています。

今、マレーシアは積極的に海外とコンタクトをとり、「プル要因」になろうとしています。

現在の日本における「プッシュ要因」は、いつ破綻してもおかしくない財政情況や歴史的な円高、地震や津波、原発放射能問題、枚挙に暇はありません。

 

人は、自分の生命が脅かされる前に、移動するものです。

あらためて、若者に明確な目標がなくても問題がないと信じこませることに成功した人びと(=下の世代に変に目標を持たせないように成功した人びと)の恐ろしさを感じました。

要は、若者に夢や希望を抱かせないようにして、外に目を向けないようにしたわけです。

彼らには、労働人口として精一杯国を支えてもらわないといけません。

できる限り国内に目を向けさせ、内向きな人びとをたくさん生産することに成功したわけです。

しかも、それは平和裏に病魔が忍び寄るような形でおこなわれてきました。

夢や希望がないことが「常態」となっていることに何も疑問も抱かせません。

 

私は、20代前半から海外に出はじめ、20代後半はほぼ海外で暮らしてきました。

まだ30代前半ですが、こんな若輩者でも、日本で暮らす日本人に比べて、海外での生活経験が豊富なほうに入ります。

それなりに海外で暮らすための知恵がついてきました。

私と同世代の日本人が、少しでも「人生そのもののポートフォリオ」を考え、行動を起こしはじめることが重要だと思っています。

少なくとも、世界には「プル要因」がたくさんあって、マレーシアは日本人にとって選択肢のうちのひとつに入る、というこは知っておくべきでしょう。

日本がピンチとなれば、いつでも外に出ることができるような準備はしておかなければならないのです。

準備したうえで、日本に対して真面目にコミットするならば、これまでとは違った心持ちになります。

 

MPIの営業力と積極性の裏側には、日本の悪い閉塞性があるような気がしてなりません。

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